『スキップとローファー』。
タイトルだけは知っていたのですが、読んでいませんでした。
入った漫画喫茶にアニメ化コーナーがあり、「スキップとローファー」が並んでいました。
他に目当ての漫画も無く、手に取って読み始めました。
「面白い」
「本当に面白い」です。
少女漫画だと思っていたのですが、アフタヌーン(講談社の月刊青年誌)で連載されていたのですね。
作者は「高松美咲」さん。女性の作家さんですね。
この作品のどこからを面白いと語って良いのか、難しいですね。
ただ、描くには難しいことを描かれているなと思います。
作者のwikiの中に、『「人の心の機微」に関心を抱いており』とあります。
まさしくその通りで、大きなイベントを描かないのですが(日常の高校生活を描いている)、読ませる(中身のある)物語として成り立っていると感じるのです。
登場する人物達が、振り過ぎたキャラクターでは無いけど、個性が十分に感じられる。
こういう子いるよね、と思えるのだけどきちんと物語の中で生きている。
主人公の側にいる人間として、大小影響を与えている。
「都会」と「地方」という差別(環境が違うという意味)があり、もちろんそこに住む人たちも違っている。
「都会」で暮らしている故の悩みもあり、「地方」で暮らしている故の大らかさもある。
人が求めている物に両極な物があり、それが「都会」と「地方」に別々に存在しているのが分かる。
養老孟司さんが都会と田舎の参勤交代を続けているそうですが、都会と田舎、どちらの環境も人が欲しいている物がある現れなのでしょう。
星野道夫さんが何かの著書で、「ニューヨークが好きだ」と書いていたことがあった。
アラスカに長期滞在し、自然に親しんでいた方がこんなことを思っていたことが、少し不思議に思っていた。
だけど今は少し分かる気がします。
都会にい続けると「渇き」があり、「田舎」にい続けると「飽き」があるのかも知れません。
話が逸れてしまいましたが、「スキップとローファー」です。
「人の心の機微」で物語を紡いでいくって、読み手がそれを面白いと思えるから物語が成立していると思えます。
その人の心の在り方で、「好感が持てる」ことが描かれている。
そこが面白さ(小さな感動)を感じるのかも知れませんね。
ただ、良いだけの人はまずはいないでしょうから、少しの悩みや葛藤がある。
そこにも共感が持てるのでしょうね。
あくまで自然に描かれているのが、この作品の良い所かなと思えます。
「コミスペ」というサイトに作者の高松美咲さんのインタビューが載っていました。
興味深い内容ですので、ぜひご覧ください。